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2020.02.19

#私道として利用される宅地の相続税評価について

福岡市の不動産会社センチュリー21タカラホーム

私道として利用される宅地の相続税評価について

 

 

個人が所有している宅地の一部が私道として利用されている場合や、セットバックを要する場合における、宅地の相続税評価についてお話しします。

私道として利用される宅地の相続税評価について

私道には、公道と公道に接続し不特定多数の者の通行の用に供するもの(いわゆる「通り抜け私道」※下記A)と、専ら特定の者の通行の用に供するもの(いわゆる「行き止まり私道」※下記B)とがあります。

相続税の計算上、これら私道の評価については、国税庁の通達により次のように規定されています。

 

(A)通り抜け私道の評価

通り抜け私道については、一般に次の①から③のような利用制限があります。

①道路として利用されることになり、第三者が通行することを容認しなければならないこと。

②道路内建築の制限により、通行を妨害する行為が禁止されること。

③私道の廃止または変更が制限されること。

 

このような利用制限がある私道は、私有物として自由な処分ができるものではなく、その私道を含む宅地の売買実例においては、私道部分の評価額を100%減額している事例が多いようです。

このため相続税の計算上も、通り抜け私道については評価をしないこととされています。

 

 

 

(B)行き止まり私道の評価

行き止まり私道については、その使用収益にある程度の制約はあるものの、私有物として所有者の意思に基づく処分の可能性は残されています。

特に、行き止まり私道と、私道に隣接する土地が同一の所有者となった場合には、私道はその敷地内に取り込まれ、私道ではなくなる可能性があります。

このため相続税の計算上、行き止まり私道については、相続税評価額の30%相当額により評価されます。

なお、行き止まり私道のうち、その私道を通行して不特定多数の者が地域等の集会所、地域センターおよび公園などの公共施設や商店街等に出入りしているものについては、前述(A)の通り抜け私道と同様に、相続税の計算上、評価をしないこととされています。

 

セットバックを要する宅地の評価

 

セットバックを要する宅地とは
建築基準法第42 条第2 項の規定により指定を受けた道路(いわゆる「2項道路」)に面する宅地は、原則、その道路の中心線から左右に2mずつ後退した線が道路の境界線とみなされます。

このため将来建物の建替え等を行う場合には、その境界線まで後退(セットバック)して道路敷きとして提供しなければならないことになっています。

 

セットバックを必要とする宅地の評価
セットバックを要する宅地については、現在の利用に支障がない場合でも、将来セットバックして道路敷きとして提供せざるをえなくなるおそれがあります。
このため、相続税の計算上、その評価額はセットバックを必要としない宅地の評価額に比べて減額すべきと考えられます。

 

この場合、セットバックを必要とする部分の評価額は、私道と比べると、セットバックをしていない限り宅地として利用されることから、前述1.(B)の行き止まり私道の評価額を下回ることはないと考えられます。

そこで国税庁の通達では、セットバックを要する部分については通常の評価額の3 割評価(7 割相当額を控除)とし、その宅地についてセットバックが要しないものとした場合の評価額から、次の算式により計算した金額を控除して評価することとされています。

(算式)セットバックが要しないものとした場合の宅地の評価額×セットバックを要する部分の地積÷セットバックを要する宅地の全体の地積× 0.7

 

セットバック終了後のセットバック部分の評価

セットバック終了後のセットバック部分は、所有権を有している場合でも建築基準法上の道路であり、建物等を建築することはできないことから、私道として評価することになります。したがって、相続税の計算上は、前述1.(B)の行き止まり私道に該当するものとして、私道でないものとして計算した評価額の30%相当額で評価されます。

ただし、セットバック部分を含めた道路が不特定多数の通行の用に供されている場合には、前述1. (A)と同様に、評価をしないこととされています。

 

今から住宅を購入する際には、ここまで考慮する必要がありませんが、ご自宅やご実家などが大きな土地でこのような私道に面していた場合、将来の相続税・贈与税などを算出する際、少し影響が出る可能性があります。

 

 

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